ケミカルピーリングは、ニキビ跡やシミ、くすみといった肌悩みにアプローチできる美容施術として人気ですが、一方で「やめたほうがいい」という声も聞かれます。
興味はあるけれど、副作用やリスクを考えると、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ケミカルピーリングをしない方がいい人の特徴や、事前に知っておくべきデメリット、後悔しないためのポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、ご自身の肌がケミカルピーリングに向いているのかを冷静に判断し、納得のいく美肌治療を選択できるようになるでしょう。
ケミカルピーリングとは?
ケミカルピーリングとは、肌に特殊な薬剤を塗り、古い角質を化学的に溶かして取り除くことで、肌の再生を促す美容皮膚科の治療法です。
- 肌のターンオーバーを正常化させる
- ニキビやニキビ跡、毛穴の開きを改善する
- シミやくすみといった肌トラブルにアプローチする
施術時間も15分から30分程度と短く、ダウンタイムも比較的短いことから、手軽に受けられる美肌治療として広く知られています。
しかし、薬剤を用いる施術であるため、肌質や体質によっては肌トラブルの原因となる可能性もあり、すべての人に適した治療法というわけではありません。
ケミカルピーリングの種類
一言でケミカルピーリングといっても、使用される薬剤にはいくつか種類があり、それぞれ特徴や肌への作用が異なります。
代表的な3種類のピーリング剤について、下の表で確認してみましょう。
種類 | 特徴 | 悩み |
---|---|---|
グリコール酸 | ・分子量が小さく皮膚への浸透力が高い ・古い角質を除去する作用に優れている ・新陳代謝を活発にしてコラーゲンの生成を促進 | ・ニキビ ・黒ずみ ・くすみや小ジワ |
サリチル酸 | ・脂溶性で皮脂とのなじみが良く、毛穴の奥深くまで浸透しやすい ・ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌作用や抗炎症作用が期待できる | ・黒ずみ ・炎症性の赤ニキビ |
乳酸 | ・分子量が大きく皮膚の浅い層に穏やかに作用する ・保湿成分であるセラミドの生成を促し乾燥しにくくなる | ・くすみ ・色ムラ |
ケミカルピーリングをしない方がいい人の特徴5選

ケミカルピーリングは効果的な施術ですが、肌質や体質、健康状態によっては肌トラブルを招く危険性があります。
ここでは、施術を避けるべき方の特徴を5つ紹介しますので、ご自身が当てはまらないか確認してみてください。
1|敏感肌な方
薬剤の刺激に過剰反応するリスクや痛みを避けたい敏感肌の方におすすめな「無針水光注射」の紹介
2|肌に浸透させる薬剤にアレルギーがある方
特にアスピリンアレルギーの方が注意すべきサリチル酸ピーリングのリスクと事前確認の重要性
3|妊娠中の方
ホルモンバランスの変化で肌が敏感になり、予期せぬ肌トラブルを招く危険性があるための施術回避
4|特定の薬を服用している方
重症ニキビ治療薬イソトレチノインなど、併用禁忌の薬があることへの注意喚起と医師への相談の重要性
5|皮膚疾患がある方
アトピー性皮膚炎やヘルペス、ケロイド体質など、症状を悪化させる危険性がある皮膚疾患の解説
敏感肌な方
もともと肌のバリア機能が低い敏感肌の方は、ケミカルピーリングの酸の刺激に過剰に反応する可能性があります。
健康な肌であれば問題ない薬剤でも、敏感肌の方にとっては刺激が強すぎて、施術後にひどい赤みや痛み、かぶれなどを引き起こすリスクがあります。
特に、些細なことで肌荒れしやすい方は、施術によってさらにバリア機能が低下し、慢性的な乾燥や肌荒れに悩まされることにもなりかねません。
痛みを避けたい敏感肌の方には、針を使わずに美容成分を肌の深層部まで浸透させる「無針水光注射」のような、より低刺激な施術がおすすめです。
florasKINでは「無針水光注射」の特許を取得しているため、他のエステサロンにはない独自の施術を受けられます。
肌に浸透させる薬剤にアレルギーがある方
ピーリング剤に含まれる成分に対して、アレルギー反応を起こす可能性がある方は施術を受けられません。
特に注意が必要なのは、サリチル酸ピーリングです。
解熱鎮痛剤であるアスピリンと構造が似ているため、アスピリンアレルギーや、アスピリン喘息の既往歴がある方は禁忌とされています。
そのほか、人によってはピーリング剤に含まれる添加物により、かぶれ(接触性皮膚炎)を起こすケースも報告されています。
アレルギー体質で不安な方は、施術前に必ず医師に申し出て、パッチテストで肌の反応を確認してもらいましょう。
妊娠中の方
妊娠中や授乳中の方は、原則としてケミカルピーリングの施術は避けるべきとされています。
ピーリング剤が胎児や母乳に直接悪影響を与える、という医学的根拠は確立されていませんが、妊娠中はホルモンバランスが大きく変動します。
ホルモンバランスが乱れると、肌は非常にデリケートな状態になり、普段なら問題のない刺激にも過敏に反応し、予期せぬ肌トラブルを引き起こす可能性があります。
また、施術による痛みやストレスが母体に負担をかける懸念もあるため、多くのクリニックでは安全を最優先しています。
特定の薬を服用している方
特定の医薬品を使用している場合、ケミカルピーリングとの相互作用によって、深刻な副作用を招く恐れがあります。
代表的なのは、重度のニキビ治療に用いられる経口レチノイド(イソトレチノイン)で、服用中から中止後6ヶ月以内は施術が禁忌です。
経口レチノイドには皮脂腺を萎縮させ、皮膚を乾燥させる強い作用があるため、ピーリングを併用すると過剰な角質剥離や瘢痕化のリスクが極めて高くなります。
ほかにも、外用薬に含まれる成分次第では、施術前後の一定期間は使用を中止する必要があるため、必ず医師に相談してください。
皮膚疾患がある方
施術を希望する部位に治療中の皮膚疾患がある場合も、ケミカルピーリングは避けなければなりません。
- アトピー性皮膚炎・湿疹
- 強い炎症を伴うニキビ(化膿ニキビ)
- ヘルペスなどのウイルス感染症
- ケロイド体質
ケロイド体質の方も注意が必要で、肌に傷がつくことでケロイド(赤く盛り上がった傷跡)を誘発する可能性があるため、施術を断られるケースがほとんどです。
まずは皮膚疾患の治療を優先し、肌が健康な状態に落ち着いてから、医師の判断のもとでピーリングを検討することが重要です。
ケミカルピーリングのデメリット7選
ケミカルピーリングを受けることで起こりうる、デメリットを7つ紹介します。
ただ、施術後の症状に関しては数時間〜1週間で収まるため安心してください。
症状がいつまでも引かない場合、肌質との相性が悪い可能性があるため、一度相談してみましょう。
1|敏感肌な方ほど施術中に痛みを感じる
バリア機能の低い敏感肌や乾燥肌の人が、施術中にピリピリとした刺激や痛みを強く感じやすいという傾向
2|施術後は数日間のダウンタイムがある
赤みや皮むけが数日間続く可能性があり、大事な予定の直前は施術を避けるなどの配慮が必要になる点
3|ピリピリとした痛みや赤みが生じる
施術後のバリア機能低下により、刺激感や赤みが数日間続く可能性と、長引く場合の医師への相談の重要性
4|皮脂の分泌が活性化してニキビが悪化する
施術の刺激で皮脂腺が活性化し、一時的にニキビが悪化したように見えることがあるという可能性
5|紫外線対策を徹底する必要がある
施術後のデリケートな肌をシミや色素沈着から守るため、毎日の徹底した紫外線対策が必須になること
6|肌ケアの強さに気を遣う必要がある
施術後の肌を傷つけないよう、スクラブ剤などを避け、摩擦の少ない優しいスキンケアが求められる点
7|3〜4週間に1回は施術を受ける必要がある
1回の施術で完結せず、効果を実感し維持するためには定期的な通院と費用が必要になるという事実
敏感肌な方ほど施術中に痛みを感じる
ケミカルピーリングの施術中は、薬剤の刺激によってピリピリ、チクチクとした痛みを感じることがあります。
この痛みの感じ方には個人差がありますが、特に肌のバリア機能が低下している敏感肌や乾燥肌の方ほど、刺激を強く感じやすい傾向にあります。
痛みの程度は薬剤の種類や濃度によっても異なり、人によっては我慢できないほどの痛みを感じる可能性もゼロではありません。
痛みに極端に弱い方や、施術中の不快感が大きなストレスになる方は、この点を十分に考慮する必要があるでしょう。
施術後は数日間のダウンタイムがある
ケミカルピーリングはダウンタイムが短い施術とされていますが、全くないわけではありません。
施術後、肌はデリケートな状態になっており、赤みやひりつき、乾燥、薄い皮むけなどが起こることがあります。
これらの症状は通常、数時間から数日で治まりますが、その間はメイクのりが悪くなったり、見た目が気になったりする可能性があります。
接客業など、人と対面する機会が多い方は、大事な予定の直前に施術を受けるのは避けるなど、スケジュールの調整が必要になるかもしれません。
ピリピリとした痛みや赤みが生じる
施術中だけでなく、施術後もピリピリとした刺激感や赤みが続くことがあります。
古い角質が剥がれて肌のバリア機能が一時的に低下し、外部からの刺激を受けやすくなっているために起こる反応です。
通常は時間の経過とともに自然に治まりますが、肌質やその日のコンディションによっては、赤みやひりつきが数日間続いてしまうケースも報告されています。
万が一、症状が長引いたり、我慢できないほどの痛みが生じたりした場合は、すぐに施術を受けたクリニックに相談することが大切です。
皮脂の分泌が活性化してニキビが悪化する
ニキビ治療を目的として施術を受けたにもかかわらず、一時的にニキビが悪化することがあります。
原因としては、ピーリングの刺激によって皮脂腺が活性化することによる、一時的な皮脂の分泌増加です。
多くの場合、肌のターンオーバーが正常化していく過程で自然に改善されるため、安心してください。
また、肌の奥に潜んでいたニキビの芽が、ピーリングによって表面に排出されることで、一時的にニキビが増えたように見えることもあります。
紫外線対策を徹底する必要がある
ケミカルピーリング後の肌は、古い角質が取り除かれて非常にデリケートな状態になっています。
バリア機能が一時的に低下しているため、紫外線の影響を普段以上に受けやすく、日焼けしやすいだけでなく、シミや色素沈着のリスクも高まっています。
そのため、施術後は季節や天候にかかわらず、毎日徹底した紫外線対策が必須となります。
日焼け止めクリームの使用はもちろん、日傘や帽子、マスクなどを活用して、肌を紫外線から守る丁寧なケアを継続しなければなりません。
肌ケアの強さに気を遣う必要がある
施術後のデリケートな肌は、摩擦などの物理的な刺激にも非常に弱くなっています。
そのため、洗顔やスキンケアの際には、ゴシゴシと強くこすらないように細心の注意を払う必要があります。
- スクラブ入りの洗顔料やゴマージュ
- ピーリング作用のある化粧品
- アルコール濃度が高い収れん化粧水
また、スクラブ入りの洗顔料やゴマージュ、ピーリング作用のある化粧品、アルコール濃度の高い収れん化粧水などの使用も避けなければなりません。
良かれと思って行うスキンケアが、かえって肌を傷つけ、赤みや乾燥、肌荒れを悪化させる原因になる可能性があることを覚えておきましょう。
3〜4週間に1回は施術を受ける必要がある
ケミカルピーリングは、1回の施術で永続的な効果が得られるわけではありません。
肌のターンオーバーに合わせて、効果を維持・向上させるためには、定期的に施術を繰り返す必要があります。
推奨される施術間隔は3~4週間に1回、肌質改善を実感するためには5~6回程度の継続が目安とされています。
そのため、効果を実感するまでには数ヶ月の期間と、それに見合った費用がかかることを理解しておく必要があります。
ケミカルピーリングで失敗しないためのポイント3選
ケミカルピーリングのデメリットを理解したうえで、それでも施術を受けたいと考える方もいるでしょう。
ここでは、施術の効果を最大限に引き出し、後悔しないために押さえておくべき3つのポイントを紹介します。
1|施術後は保湿を徹底する
施術後の乾燥やダウンタイムを和らげ、バリア機能の回復を早めるための、徹底した保湿ケアの重要性
2|外出時は紫外線対策で日焼けを防ぐ
施術後のデリケートな肌をシミや色素沈着から守るため、日焼け止めの習慣化など日々の対策が必須なこと
3|必要な回数だけ施術を受ける
過剰な施術によるビニール肌化のリスクを避け、医師の指示通り適切な頻度と回数を守ることの重要性
施術後は保湿を徹底する
施術後の肌は乾燥しやすくなっているため、何よりもまず保湿を徹底することが重要です。
化粧水で水分をたっぷりと与えた後、乳液やクリームなどの油分でしっかりと蓋をして、水分の蒸発を防ぎましょう。
十分な保湿は、乾燥を防ぐだけでなく、赤みやひりつきといったダウンタイムの症状を和らげ、肌のバリア機能の回復を早める助けとなります。
普段よりも念入りに、そして低刺激性の製品を選んで優しくケアすることを心がけてください。
外出時は紫外線対策で日焼けを防ぐ
前述の通り、ピーリング後の肌は紫外線のダメージを非常に受けやすい状態です。
ここで紫外線対策を怠ると、シミやそばかす、色素沈着といった新たな肌トラブルを招く原因となり、せっかくの施術が無駄になりかねません。
外出する際は、SPF値やPA値の高い日焼け止めをムラなく塗り、2~3時間おきに塗り直すことを習慣にしましょう。
曇りの日や室内でも紫外線は降り注いでいるため、油断せずに日々の対策を徹底することが、美しい肌を保つための鍵となります。
必要な回数だけ施術を受ける
早く効果を実感したいからといって、推奨される間隔を無視して頻繁に施術を受けるのは逆効果です。
過度なピーリングは、肌のバリア機能を破壊し、角質を育て直すのに時間がかかる「ビニール肌」という不健康な状態を招くリスクがあります。
肌には、回復して再生するための適切な休息期間が必要不可欠です。
必ず医師の指示に従い、自分の肌の状態を見ながら、適切な頻度と回数を守って施術を受けるようにしましょう。
まとめ
本記事では、ケミカルピーリングをしない方がいい人の特徴やデメリット、そして失敗しないためのポイントを解説しました。
ケミカルピーリングは、ニキビやシミなどの改善に効果が期待できる一方、敏感肌やアレルギー体質の方、特定の条件下にある方には推奨されない施術です。
また、施術後の痛みやダウンタイム、徹底したアフターケアの必要性といったデメリットも存在します。
本記事の情報を踏まえたうえで、ご自身の肌質やライフスタイルを考慮し、信頼できる医師と相談したうえでケミカルピーリングを受けるか判断しましょう。